2011年07月18日

パタゴニアアンバサダー名古屋に

岡崎 友子
友達がたくさんできるようにとの思いを込めて両親がつけてくれた「友子」という名前のおかげか、私は世界中ですばらしい友人たちを得ることができました。彼らはさまざまな場面で私に進むべき方向を示してくれたり、手本を見せてくれたり、インスピレーションを与えてくれたりしました。彼らに出会えたからこそ、いまの自分があると思っています。また海が目の前にあり、山に囲まれた鎌倉で育ったことも私に大きな影響を与えました。鎌倉の千年以上の歴史や土地の特徴を知ることが好きだった私は、子供のころから未知の土地や文化に興味を抱き、トイレにあった地球儀と大きな日本地図を眺めては、空想を膨らませて遠くの見知らぬ土地に思いを馳せていました。そのころの夢は文化人類学者になることでした。

ところが16歳のときに始めたウインドサーフィンによって、私の人生設計はすっかり変わってしまいました。異文化や見知らぬ土地への憧れとウインドサーフィンへの情熱がひとつになり、波と風の良い、けれどもあまり知られていない場所を求めて、世界中を旅するようになったのです。そして落ち着いたのが、すばらしい波とどこよりもコンスタントに風の吹く、ウインドサーフィンするには最高のマウイ島でした。熱心にウインドサーフィンの練習をすればするほど海は私を迎え入れてくれるように感じましたし、またすべてがどう動いているのかを示してくれるようにも感じました。海は私の都合では動いてくれません。でも、つねに海という自然に自分を合わせ、自然の発する声に耳を澄ませていると、いろんな形で想像以上のご褒美を与えてもらえるということを学びました。そして自然に対する畏敬の念が高まるにつれ、自然を相手にする他のスポーツ、スノーボードやカイトサーフィン、サーフィン、スタンドアップパドルなどにも魅力を感じるようになりました。どのスポーツをしていても、結局はフィールドや道具が違うだけで、同じような感覚や喜びを感じているような気がします。ですからそのときのコンデイションに合わせて、その日いちばん楽しめる道具を使ったスポーツを楽しむようにしています。

興味のあること
不思議と大きなものに惹かれます。もしかしたら自分が小さく(身長153cm)、そして小さな国に育ったからなのかもしれませんが、大きな波やビッグマウンテン・ライデイング、そして広々としたアラスカ原野などの厳しい気候や遠くさびれた土地、またそんな環境のなかでタフに生きる人びとに興味があります。そうした環境では人間はつねに神経を研ぎ澄ませている必要がありますし、心身がともに調和していないと生きていけません。私が惹かれるのは、そういう状態でありたいという気持ちを強く持っているからなのかもしれません。私たちは便利な道具や機会や情報に恵まれ、そしてそれらに甘やかされすぎて多くの能力を退化させつつあるように思うのです。持っていたはずの感覚を取り戻し、偉大なる自然に対してタフで賢くありたい。そのためにも自然のパワーの方が人間よりも大きいということを、つねに目の当たりにする環境に身を置きたいと感じるのです。

最近訪れたマーシャル諸島では、人びとはかぎられたものしか持たず、困難が多いと思われるような生活を送っていました。それでも彼らの美しく澄んだ目と、限られたものを誰にでも分け与えようとする優しい気持ちには、私たちが忘れてしまった、あるいは失ってしまった大切な何かを彼らはまだ持っているような気がしました。何もない砂漠でキャンプをしながらサーフトリップを楽しむバハ・カリフォルニアは毎年行かずにはいられない場所のひとつですが、海だけしかないシンプルな毎日は、何よりも考える時間と余裕を与えてくれます。旅は私にとっては物事の本質を見極めるようなもの。いろんなことを感じ、考えさせてくれます。百聞は一見にしかず、百見は一行にしかず。そしてどこへ行ってもサーフィンが共通語になってくれるサーファー同士は、出会った途端に親しくなることができます。それはカイトでもスノーボードでも同じ。おかげで世界中どこへ行ってもすぐに親しい仲間ができます。したいことや行きたい場所のリストはかぎりなくつづき、すべてを一度にはできませんが、そのリストをつねに頭のなかに置き、できることから、できるときに少しずつチェックしていきたいと思っています。アリューシャン列島も10年越しの夢のひとつですが、いつか現実になることを信じています。

プロジェクト
ダートバッグ/ビーチバムのライフスタイルを保つため、最初に始めた仕事はハンドペイントの水着を作ることでした。20歳のころから雑誌などに文章を書いていましたが、そのおかげで旅をしたり、さまざまな興味深い人たちと出会ってインタビューをすることができたことは、本当に役得だと思っています。自分が受けたインスピレーションを他の人たちと共有することはとてもすばらしいことです。自分の文章や活動によって多くの人に、「外に出かけよう」、「何かをやって楽しんでみよう」と、人生を有意義に謳歌したり、何をすべきか、何が正しいかを考えたりするきっかけを与えることができたら、こんなにうれしいことはありません。

<サクラキャンプ sakuracamp.girly.jp> 
女性のためのウインドサーフィン・ウェイブ・ライデイング・キャンプ。始めてからすでに14年目になりますが、上達よりも仲間との親睦や、長くつづけていくことのできる環境を女性に持ってもらうための目的で開催しています。 

<マウイレインボーリトリート www.mauirainbowretreat.com> 
マウイ島で行われるヨガリトリートのオーガナイズをしています。最高のヨガテイ-チャーがそろっているうえに、自然が豊かなマウイの環境で開催です。

<ガールズカイトサミット>
女性のためのカイトキャンプ、八重山諸島で不定期に開催。

今後の目標としては日本やマウイなど、各地で女性やキッズを対象にしたキャンプやアクテイビティのガイドなどを行い、多くの人に自然のなかで遊びながらその大切さと、自分たちに与えてくれるものの大きさを体験してもらうことができたらと考えています。

環境問題について
山に登ったり、海でサーフィンしたりすることが、環境にダメージを与えることもあります。けれどもその一方で外に出て遊び、自然と接することが、その環境を守らなければならないと感じるようになるいちばんの近道でもあります。自然と接していると、ごく自然にそういったことを考えるようになると思います。ビルのなかにつねにこもっていると、美しい夕日やきらめく海、濃い緑の香りなどが、自分にまったく関係のないものとなってしまい、ありがたさも感じないかもしれません。外に出かければ出かけるほど、自然が私たちに与えてくれるすばらしい贈り物について理解するようになり、さらにその大切さについて実感することができるようになると思います。

よりシンプルに生きる。無駄の少ない生活を送ることはつねに私の大きな目標ですが、それは容易に実行できることではありません。それでも環境にとって、そして個人的にも良い目標であるとは思っています。買い物に出かけるたび、ある尊敬する人の言葉を思い出すようにしています。
「Don't buy this unless you really need it. (どうしても必要でない限り、買うのはやめなさい)」
リサイクルの前に、まずは多くを消費しないこと、ものを大切に使うことが大事だと思います。

お気に入りのパタゴニア製品
ダウンセーターは登場して以来、確実に私のいちばんのお気に入りになっています。非常に軽い着心地で、ダウンの寝袋を着ているみたいにやわらかく、秋のはじめにトレーナー代わりに羽織ることもできれば、真冬の東京でこれ1枚を上着として着ても寒くないくらい温かいのです。旅行中は熱帯地域から雪の降る場所に移動することも多いのですが、そんなときでも手荷物のなかに丸めて突っ込んでおけばいつでも着られるし、アラスカやジャクソンの極寒地でのライデイングにはインサレーションとして着用すれば寒いと感じることはありません。とにかく旅にはこれほど重宝するものはなく、飛行機の冷房が効いた機内も、これさえあれば問題なし。手のひらに乗るほどコンパクトになるのでまったく荷物になりません。

ウール2のロングスリーブは軽くて温かくて着心地がいいのでさまざまな用途に活用できます。家にいるときもずっと着ていたいほどやわらかく、スノーボードのアンダーとしてはもちろん、パジャマとして、あるいはジーンズに合わせておしゃれな重ね着としても、場所を問わず役目を果たしてくれるので、ずっと着つづけてしまうほど。ありがたいことにウールはずっと着つづけても防臭効果があるので、それも大きなメリットです。1か月シャワーが使えないキャンプでも問題なし。もともと重ね着が好きではないなので、極薄でありながら保温力抜群のウール2はどんな場面でも愛用しています。
パタゴニアアンバサダー名古屋に
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Posted by パイルドライバーブログ at 19:33│Comments(0)
 
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